研究テーマ
Research News Details
言葉とコミュニケーション
人間はコミュニケーションによって社会を作り、言葉はその強力なツールとして気持を伝え人を動かします。これらの機能とその獲得の脳内基盤の解明は、人間理解と教育応用への貢献が期待されます。
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人間はコミュニケーションによって社会を作り、言葉はその強力なツールとして気持を伝え人を動かします。これらの機能とその獲得の脳内基盤の解明は、人間理解と教育応用への貢献が期待されます。
言語が異なると、バイリンガルは異なる感情を体験することが報告されています。第二言語(L2)を使用する際、多くの人が第一言語(L1)と比べて感情が薄れると感じます。これは、第二言語では母語を使用した際のような感情豊かな社会的場面での経験が少ないためだと考えられています。この現象を検証するために、fMRIを用いた研究で、L2を使った社会的相互作用の経験がL2での感情語の脳内処理にどのような影響を与えるかを調査しました。その結果、日常生活で母語話者との社会的相互作用が多いL2学習者は、L2の感情語を処理する際に、感情処理に関連する脳の領域(扁桃体と腹側線条体)をより活性化することが確認されました。この発見は、L2学習者がL2の感情語をより深く処理していることを示し、感情豊かな言葉の習得には社会的相互作用が重要であることを示唆しています。研究成果は『Language, Cognition and Neuroscience』誌に掲載されました。(Chunlin)
論文は Top10%journalとして大学からのOpen Access出版を支援いただきました。
https://doi.org/10.1080/23273798.2024.2307630