研究テーマ
Research News Details
価値はどこから生まれるか
脳は多様な感覚入力を統合し、知識・記憶を参照して事物や環境の価値を評価しますが、その過程はまだ謎だらけです。様々な行動実験・脳計測実験から、その不思議な実態が明らかになってきました。
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脳は多様な感覚入力を統合し、知識・記憶を参照して事物や環境の価値を評価しますが、その過程はまだ謎だらけです。様々な行動実験・脳計測実験から、その不思議な実態が明らかになってきました。
言語には (言語によって程度の差はありますが)、様々な概念的・社会的情報が文法に盛り込まれているものがあります。例えば、上の写真は、オーストラリアの原住民 (Dyirbal文化の人)が、自分たちの世界観を「生物/男性的なもの」「自然/危険なもの」「食用のもの」に分類して、社会の世界観に関連するものに注意を向けさせている様子を表しています。このような概念的・社会的情報が表現されている言語規則の学習には、どのような認知的能力が必要となるのでしょうか。本研究では、概念的な知識に依存する言語規則の学習に、学習者のワーキングメモリと言語学習適性という二つの認知的特性に注目し、能力の違いがどれほど学習の成功を予測できるのかを検証しました。その結果、ワーキングメモリが言語適性よりも、学習成功を有意に予測することが明らかになりました(Diego)。
https://doi.org/10.34609/sls.19.0_77