研究テーマ Research News Details 自己を創る脳 「自己」は脳でどのように生まれ、我々の認識や行動、適応性にどう影響を及ぼすのでしょう。身体・運動・社会性・メンタルヘルスなど、自己の多様な側面について、謎の解明に挑戦しています。 202112.02 「褒め」の二面性(プレプリント公開) Posted in 研究 私たちの日常生活では「褒める」ことがありますが、その中には「真の褒め言葉」と「お世辞」の2種類があります。多くの分野で、この2つの効果の違いや同等性が議論され、結論が分かれていました。また、褒め言葉の効果の個人差が考慮されることも多くありませんでした。今回のfMRI研究では、「賞賛獲得欲求」という個人特性に着目しながら、真の褒め言葉やお世辞を受け取ったときの脳活動を調べました。真の褒め言葉は、お世辞よりも脳の「報酬系」を活性化しました。一方、「賞賛獲得欲求」が高い人は、低いパフォーマンスのときに真の褒め言葉をもらうと、注意を司る頭頂溝の活動が低下することがわかりました。これらの結果から、真の褒め言葉は報酬価値が高いものの、「賞賛獲得欲求」特性の強い人は真の褒め言葉を抑制的に捉える個人差が示唆されました。(藤原) https://psyarxiv.com/zw467/ 添付ファイル 一覧へ戻る 前の記事 一覧へ戻る 次の記事 研究テーマ 自己を創る脳価値はどこから生まれるか言葉とコミュニケーション災害と生きる力未来を拓く人間脳科学
私たちの日常生活では「褒める」ことがありますが、その中には「真の褒め言葉」と「お世辞」の2種類があります。多くの分野で、この2つの効果の違いや同等性が議論され、結論が分かれていました。また、褒め言葉の効果の個人差が考慮されることも多くありませんでした。今回のfMRI研究では、「賞賛獲得欲求」という個人特性に着目しながら、真の褒め言葉やお世辞を受け取ったときの脳活動を調べました。真の褒め言葉は、お世辞よりも脳の「報酬系」を活性化しました。一方、「賞賛獲得欲求」が高い人は、低いパフォーマンスのときに真の褒め言葉をもらうと、注意を司る頭頂溝の活動が低下することがわかりました。これらの結果から、真の褒め言葉は報酬価値が高いものの、「賞賛獲得欲求」特性の強い人は真の褒め言葉を抑制的に捉える個人差が示唆されました。(藤原)
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