ニュース News 202511.22 慰めで大事なのは、話し方だけじゃない?"同期"の重要性とは(論文出版) Posted in 研究 対人感情の調整というと、「人を慰めるには話し方が大事だ」と思われがちですが、研究によると、実は身体や脳の同期も重要な鍵になる可能性があります。本研究では、友人同士が相手のネガティブな感情を調節する場面において、fNIRS を用いて両者の脳活動を同時に記録し、さらに動作エネルギー解析(MEA)によって会話中の身体動作の同調性を分析しました。その結果、感情的なサポートの場面では、動作の同調が高いペアほど脳活動も同期しやすく、その同期によって相手が「本当に気持ちに寄り添ってもらえている」と感じやすいことが示されました。特に左側背外側前頭前野(DLPFC) の同期が顕著で、これは「共同注意」に関わる領域とされています。つまり、お互いが相手とのやりとりにしっかり注意を向けていると、慰めがより相手の心に届きやすくなるということです。さらに、このような行動・神経レベルの同期は女性の友人同士でより強く見られる ことも分かり、性別が対人感情調節の感受性や協調のスタイルに影響する可能性が示唆されています。研究成果は『NeuroImage』誌に掲載されました。(Shao) この論文は Top10%journalとして大学からのOpen Access出版を支援いただきました。 https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2025.121610 添付ファイル 一覧へ戻る 前の記事 一覧へ戻る 次の記事 アーカイブ 月別 2025年11月2025年10月2025年09月2025年08月2025年07月2025年06月2025年05月2025年04月2025年03月2025年02月2025年01月2024年12月 年別 2025年2024年2023年2022年2021年2020年2019年2018年2017年2016年
対人感情の調整というと、「人を慰めるには話し方が大事だ」と思われがちですが、研究によると、実は身体や脳の同期も重要な鍵になる可能性があります。本研究では、友人同士が相手のネガティブな感情を調節する場面において、fNIRS を用いて両者の脳活動を同時に記録し、さらに動作エネルギー解析(MEA)によって会話中の身体動作の同調性を分析しました。その結果、感情的なサポートの場面では、動作の同調が高いペアほど脳活動も同期しやすく、その同期によって相手が「本当に気持ちに寄り添ってもらえている」と感じやすいことが示されました。特に左側背外側前頭前野(DLPFC) の同期が顕著で、これは「共同注意」に関わる領域とされています。つまり、お互いが相手とのやりとりにしっかり注意を向けていると、慰めがより相手の心に届きやすくなるということです。さらに、このような行動・神経レベルの同期は女性の友人同士でより強く見られる ことも分かり、性別が対人感情調節の感受性や協調のスタイルに影響する可能性が示唆されています。研究成果は『NeuroImage』誌に掲載されました。(Shao)
この論文は Top10%journalとして大学からのOpen Access出版を支援いただきました。
https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2025.121610