文法の中でも「意味」に基づく規則は、脳のどのような仕組みで学習されるのでしょうか。
この問いに答えるために、本研究ではfMRIを用いて、アニマシー(生物/無生物)や大きさといった意味的特徴に基づいて名詞を分類する「名詞分類規則」の学習過程を調べました。日本語母語話者36名が、3つの意味カテゴリー(生物・小さな無生物・大きな無生物)をもつ半人工言語を学習する間の脳活動を測定した結果、左中側頭回の活動が学習の成功とルールの一般化を予測し、左下前頭回および尾状核の活動は学習の進行に伴って減少し、文法学習のコアネットワークであることが分かりました。また、ワーキングメモリ能力が高い人ほど視床の活動が低く、より効率的な情報処理を行っていることが示唆されました。これらの結果は、意味ベースの文法学習が形式的処理だけでなく、意味処理や手続き学習を担う広範な脳ネットワークの協働によって支えられていることを示しています。研究成果は、Brain and Language に掲載されました。(鄭)
🧠 "The neural correlates of nominal classification rule learning and their individual differences" Diego Elisandro Dardon, Haining Cui, Motoaki Sugiura, and Hyeonjeong Jeong, Brain and Language
🔗 https://doi.org/10.1016/j.bandl.2025.105654
文法の中でも「意味」に基づく規則は、脳のどのような仕組みで学習されるのでしょうか。
この問いに答えるために、本研究ではfMRIを用いて、アニマシー(生物/無生物)や大きさといった意味的特徴に基づいて名詞を分類する「名詞分類規則」の学習過程を調べました。日本語母語話者36名が、3つの意味カテゴリー(生物・小さな無生物・大きな無生物)をもつ半人工言語を学習する間の脳活動を測定した結果、左中側頭回の活動が学習の成功とルールの一般化を予測し、左下前頭回および尾状核の活動は学習の進行に伴って減少し、文法学習のコアネットワークであることが分かりました。また、ワーキングメモリ能力が高い人ほど視床の活動が低く、より効率的な情報処理を行っていることが示唆されました。これらの結果は、意味ベースの文法学習が形式的処理だけでなく、意味処理や手続き学習を担う広範な脳ネットワークの協働によって支えられていることを示しています。研究成果は、Brain and Language に掲載されました。(鄭)
🧠 "The neural correlates of nominal classification rule learning and their individual differences" Diego Elisandro Dardon, Haining Cui, Motoaki Sugiura, and Hyeonjeong Jeong, Brain and Language
🔗 https://doi.org/10.1016/j.bandl.2025.105654