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202511.27 AIフィードバックと第二言語学習者の不安(国際学会ポスター発表) Posted in 研究

生成 AIとの対話が第二言語(L2)学習に広く取り入れられていますが、AI からのフィードバックが学習者の不安や脳活動にどのような影響を与えるのかは、これまで明らかではありませんでした。
本研究では、リアルタイムで 生成 AI と会話しながら fMRI 計測を行う新しいパラダイムを用い、明示的・暗示的フィードバックが L2 学習者の情動反応に与える影響を調べました。その結果、不安や否定的評価への恐れが高い学習者ほど、明示的フィードバック時に扁桃体の活動が高まることが分かりました。暗示的フィードバックでも同様の傾向がみられ、AI からの訂正が情動的負荷として処理される可能性が示唆されました。
これらの成果は、2025 年 11 月にメルボルンで開催された Australasian Cognitive Neuroscience Society(ACNS 2025)にて、「How explicit and implicit feedback shape L2 learners’ anxiety in real-time communication: An fMRI study」というタイトルで発表しました。
今回の ACNS では、臨床領域や、成長・発達に関連する研究が多く発表されており、社会的課題と密接に結びついた研究が非常に多い印象でした。一方で、AI を扱った研究はまだ多くないものの、AI との対話を用いた私の研究に対しては、多くの参加者が強い関心を示し、質問や議論が盛り上がりました。AI と認知神経科学の融合研究への期待が、国際的にも高まっていることを実感しました。
また、学会期間中には、シンガポール南洋理工大学の Dr. Wei-Peng Teo チームと交流することができました。同チームは EEG、fNIRS、TMS など多様な手法を用いて、学習に関わる認知メカニズムの解明に取り組んでおり、研究内容に強い親和性を感じました。大変有意義な交流の機会となりました。(Chunlin)
 

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