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202504.25 端数効果の神経表象 (論文出版) Posted in 研究

198円のような大台割れ直下の価格を非合理的に安いと感じる効果は端数効果として知られており、端数効果は価格の大台割れによって価格の左端の数字が変化すること(Left-digit effect)と価格端数が特定の数字であることによる低価格イメージの想起、例えば日本では8であること(Image effect)の2つの要因によって生じるとされています。

本研究では、この端数効果に関連する2つの効果の神経表象を、fMRIを用いて調査しました。その結果、left-digit effectが、視空間処理に関連する脳の領域の活動低下と関連していることがわかり、特に右半球の後背側楔前部の活動低下は価格の左端の変化による非合理的な価格知覚と負の相関を示し、背側線条体領域と負の機能結合を示すことを明らかにしました。

これらの結果は、価格の左端の数字の変化が視空間処理を調整することを示唆しており、特に右後背側楔前部は価格の左端の数字の変化による価格知覚の非合理性に関連し、無意識的な購買意図を促進する可能性も示唆しています。

本研究結果は、Biological Psychologyに掲載されました。(大方)
https://doi.org/10.1016/j.biopsycho.2025.109030

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